2017年08月19日

気持ちのもとの素材を活かして心をととのえる展示


 今日は、東京都美術館の杉戸洋さんの「とんぼとのりしろ」展に行ってきました。

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 とんぼとのりしろは、エルダーによると、何かを印刷する際に使う、以下のようなものらしいです(エルダー、ずれてたらごめん汗):

とんぼとのりしお.png
 眠剤を飲んだ後なので、効きだす前に少しばかり感想を。

 本当に、心を整えてくれる空間でした。

 あまりネタばれはしたくないけれど、パンフレットのような、大きいモニュメントみたいのがあって、そのような時間のかかる作品を丁寧に作ったアーティストは何人か見て来ました。でも、悪い言い方をすれば、それは「どーんとしたもの作るぞ!」ってエゴを押し出したものだと思います。

 でも杉戸さんはそれそのものも、皮膚の角質(比喩笑)みたいで圧倒されるんだけど(私は細胞に似ているような、見た目は無機的でも有機的なものをにおわす作品が大好きです)

 そのモニュメントの裏っかわを展示の壁のように利用して、小さい作品をいくつかディスプレイしていて、海辺みたいにダイナミックで目立つきれいなところに目が行くと思ったら、きらっと小さいアルミホイルのくちゃっとしたのを貝殻の山の中に発見して、その方が印象に残るというか、

 もう一つの部屋には、病棟のホワイトルームみたいに怖い白さではななくて、色んなテクスチャーの白さをデリケートなバランスで空間作りして、遊び心をくすぐるんだけど、その白い和らぎの中の片隅にぽつんと鮮やかな紫のブロックがおいてあるとか、

 大作を作った自分を一面的に押し出すのではなく、言われなければ気づかないひっそりとしたところにも自分のある意味もっと人間臭いくだけたサイドを、人が見えないかもしれないことをおぞれずちゃんと残して、そんな度胸とユーモアのセンスが素敵でした。

 結局すごいネタバレしていて、比喩などが分かりづらい感想で申し訳ないです汗

 とにかく、自分の心の中がうわっとしたもので、いい意味でも悪い意味でも大きいものが陣取ったら、どこかに潜んでいる、裏っかわの小さい良さとか、映える紫色の小さいブロックを見つけてぎゅっと手で握りしめれば大丈夫、とお守りのような視点をいただきました。


 あとは、東京都美術館が前川國男という建築家が建てたらしいんだけど、シンプルな幾何学的形を、例えば小さく四角い窓から自然な光が入るようにして、素材を生かしてモダンな空間を作るんだけど、

 その空間に同化するような、「どこから杉戸さんの作品で、どこからもともとの展示室の建築のデザイン」か境界線が分からない形にしていて、でも杉戸さんの幾何学の使い方は、三角屋根の小さいおうちや、すこしぐちゃっと開いた段ボールで、そのコンビネーションに心が癒されました。

 繰り返しになっちゃうけど、自分の心の空間を本来子供の頃からあるようなあったかさと気持ちの素材で整えてくれるような展示でした。とんぼで心にある見えない線を枠づけしてくれて、のりしおでずれやすい心境をぴたっとくっつけてくれるような。

 おすすめです!ちなみにTomio Koyama(以前、清澄白河にあると書いたけど、六本木に移転したそうです)にも、合同的に杉戸さんの空間展示がありますので、お寺巡り笑のように二つとも観に行くのも良いかと思います。

 いやぁ、最近夜はとくに心が乱れていたから、いい頓服でした。

 ちなみに、以下は杉戸さんの初期の作品のポストカード:

 sugito1.JPG

 ではでは、おやすみなさい^^
                                 りさ

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posted by 徒然 at 00:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記